農家はやめたほういいんじゃない?その1

 

1.続く異常気象 − 「農家やめたほういいんじゃない?」 

 

 

近年、天候や生き物に悩まされる日々が続いているような感覚がします。 

 

 

2017年は仙台で観測史上初の36日連続降雨。

2018年も異常高温や少雨、今週になってからはずっと雨が降ったりと極端な感じもしますね。 

今月ネイチャー・コミュニケーションズという科学雑誌には2022年まで異常な天気になるようです。 

 

 

もう毎年「異常」と言われて、その異常が当たり前になり、いつから異常になった?

とわけのわからぬ状態に陥りそうです。 

 

 

 

これが人間の環境破壊によるものなのか、はたまたミニ氷河期に突入する前触れなのか、

太陽の動きによるものなのか、素人の私にはさっぱりわかりません。 

 

 

異常な天候が続くと、農作物の生産や家畜の飼育にも少なからず影響が出ます。 

私たちも試行錯誤して野菜作りをしていますが、それでも大なり小なり天候の影響を

受けてしまい、それが経営に直結することもあります。 

 

 

お恥ずかしながら、MITUでも会社を立ち上げてから、あまり天候に恵まれず、

生産量が目標に届かない経営の苦しい状態です。 

貧乏暇なし状態ですね(苦笑)。 

 

 

そうなると必ず言われるのが、 

 

「天候に左右されない農業経営を」 

「規模拡大して大量生産して売上を上げてください」 

 

という言葉。 

これがさらに踏み込んだ言葉では、 

 

「農業は生産性が低いので、別の事業に移行してみては」  

「農家は儲からないので辞めたほうがいい」

 

というある意味で究極のアドバイスをいただくこともあります。 

 

 

確かに、儲けを考えたら、農業は種まきから収穫まで一定の期間を

経ないといけないですし、その期間中に天候異常があれば、

収穫できる量は減ってしまいます。 

 

 

効率から考えたら、あまり良いとは言えないかもしれません。 

 

 

経営的に厳しくて辞めていく農家もちらほらいるなか、

このまま行くと儲かる儲からないにかかわらず、

担い手不足で農家はいなくなるでしょう。 

 

 

 

 

2.減り続ける農家 

 

つい先日今年の農水省の統計データの最新のものを確認したところ、

農家の減少率がさらに大きくなっていることに気が付きました。 

 

 

平成22年に260万人いた農業従事者は平成30年の概数値で175万人。

この8年で85万人も減りました。

さらに、175万人のうち65歳以上は約100万人。

65歳未満は75万人しかいないのですね。 

 

 

新規就農者は毎年5〜6万人ずつ増えていると言われていますが、 

実際には数年従事して離農する人もいるのでどのくらい残っているかは

統計ではよくわかりませんでした。 

 

 

新規就農者の離農理由としては、

「農作物の生産が不安定で収入が安定しない」

「儲からない」

といったことが上位に挙げられます。 

 

 

 

いずれにしても、農家はいなくなる一方です。

 

 

3.国産の野菜が手に入りづらくなる未来は本当か? 

 

数年前から、 

 

あと◯年したら国産野菜は手に入りにくくなる。 

都市部に行けば行くほど、それは顕著になるであろう。 

 

 

と危惧する声が聞こえ始めました。 

 

 

確かに、耕作放棄地が増えていることがたびたびニュースで取り上げられていますが、 

それ以上に農業をする人たちが高齢化で担い手が減れば、

スーパーで国産の農産物が手に入りづらくなるかもしれません。 

 

 

そうなると、「海外産の野菜でいいんじゃない?」という声も出てこようかと思います。

海外産の安い農産物をもってきたほうが経済的には良いと。 

 

 

たしかに経済的な観点からは海外から格安で農産物を輸入することは

良いと思います。 

 

 

ただし、輸入できるのはその国の国内自給率を上回ったときのみ。

世界規模でも農家の減少や異常気象が起こっています。 

 

となれば、まずは国内の食料確保が優先されるのが普通。  

 

日本への輸入量が減れば、国内での食料は減り、

スーパーでも高級な農産物ばかりが並ぶ可能性もあります。 

 

 

経済学者の中には

「世界の何処かが生産不良でも他の国でカバーできれば食料供給は問題ない」

という人もいます。 

 

 

でも、人間には予測できないことだって世の中起こりえます。

観測史上初の◯◯、とか予測困難だった◯◯といった内容のものも

よくニュースや新聞で取り上げられていますよね。

何が起きるかはわからない。 

 

 

 

なので、国内での食料生産と確保が大事になってくるのではないかと

個人的には考えています。 

 

 

 

4.農家はやめたほうがいい?  

 

この言葉は、たしかに「経営的」な観点からはすごく合理的で理にかなっています。 

天候に少なからず影響され、種まきから収穫まで一定の期間を経ないと利益にならない農業は 

非効率的で儲かりにくい産業化もしれません。

 

 

とくに◯◯士の先生方がよく言うように、

別の事業あるいは産業で経営を展開したほうが「楽」に稼げるかもしれません。 

 

 

でも、食料生産する人が減ったとき、「消費者」側はどうするのか? 

仮にお金をもっていたとしても食べるものがなくなったら生きていけるのか? 

 

 

そんな子どもじみたことを考えてしまいます。 

災害や異常気象、飢饉、経済崩壊など万が一何かがあったときに 

生きるために必要なのはお金ではなく、食べ物と食べ物を確保(生産)する能力。 

 

 

それさえあれば、とりあえず生きてはいけます。 

 

 

 

 

5.これからはつながる時代 

 

これからの農業は、 

 

一方では工業化、大規模化の道を

他方では、個と個のつながりの道を 

 

進んでいくのだろうと考えています。 

 

 

 

前者は、担い手が減る中で国内の食料生産は続けていかねばならないので、

そうならざるを得ないだろうと。 

 

 

後者は、規模は小さいけど、食べ物を食べる側と作る側が直接つながる、そういう機会が

増えてくるだろうと考えています。 

 

 

MITUでは、圃場は主に2人と障害のある方々で回せるくらいの規模までしか広げない

つもりでいます。 

 

 

健康な野菜を育て、それを直接食べる人に届けたいという想いがあるからです。 

 

 

地道な道ですが、 

 

マルシェ等の対面販売やインターネットで少しずつ 

 

活動を続けていこうと思っています。