農福連携で気をつけたい&末永く付き合えるところ

新規就農してから続けてきた農福連携。
かれこれ9年目に突入しました。
まだまだ経験不足なところも多いですが、関わってきた中でこういったところは気をつけようor末永く付き合える、というのがなんとなく見えてきました。
このブログで取り上げる内容はあくまでも生産者側からものです。
施設側からみたら違和感を感じるものもあるかもしれませんが、ご参考までに。
農家側としては生産物を取引先さんやお客さんに届けるために行っている作業ですが、残念なことにその重さをあまり感じてもらえないケース。
依頼されたノルマは出来なくても仕方がない、福祉施設なんだから求められても困ると言われることが多く、こちらから仕事を依頼することはなくなります。
 
 

やってもらって当たり前

施設が近所の方や人づてに借りた農地で耕作する場合で、必要な設備を揃えもせず、人から借りて当たり前というケース。
ひどい場合は近所の人からタダで借りたり近所に(ボランティアで)やってもらうのが当たり前。
草だらけにしても対処せず、周りの人が見かねて管理をする。
結果、地域から追い出される場合が多いが、追い出されたと気づかず、ひどい場合は逆恨みする。
 
意外とよく聴く話です。
そして、残念なことにこうしたケースから「もううちの地域で障害者には農業に関わらせない!」と言われることもあります。
 
基本的には、新規就農と同じなので、事前に農業を始める上での情報を収集し、さらに事前投資が出来るかどうかを考えてから農地を借りるようにしましょう。
○○農法でお金をかけずに儲けます、なんて考えている人は、やめたほうがいいです。
農業はそんなにあまくありません。

自然農法

自然農法=ほったらかし農法=高付加価値高単価で儲かると認識しているケース。
大概草だらけにして周りに迷惑をかける。周りから指摘されたりしても聞く耳を持たず、迷惑を掛けるだけかけて消えていく。
 
初心者が自然農法で高付加価値高単価で「儲かる」というのは幻想です。
「スマホでたった30分、月収100万円!」という怪しいものと同じです。
 
自然農法に取り組む上では、下準備(土作り)に5年以上、感覚的には10年くらいかける必要があると思っています。
こうしたことは自然農法実践農家や団体に聴いたり市販の書籍でも調べればわかることなのですが、何故か自然農法=ほったらかし農法=高付加価値高単価=儲かる、という構造だけが先行しているイメージです。

手取り足取り教えて下さい

仕事を委託しているのに、何故か農家側が無償で仕事を教えるパターン。
健常者に教えるのとは異なり、時間がかかるため、結果的に自分の仕事ができなくなる。
その上で、施設側に作業委託料を支払うという摩訶不思議なパターン。
初回導入時に指導することはよくありますが、毎回教えるというのは難しいですね。
 

自然の中で心身を癒やしたい/気分転換したい

「仕事」の自覚がなく、注文&要望が多いケース。
結構、適当に仕事を片付けられることも(経験談)。
気分転換をしたい場合は「仕事」として引き受けるのではなく、「農業体験」として体験するほうが農家、施設双方にメリットがあると思います。
 

聴いていません

仕事の打ち合わせをしていてもメモが取られていなかったり、施設内で情報共有が出来ておらず、現場に来て「何も聴いていない」という状態。
現場もカオス化します。
段取りを最初からやり直したり、説明をし直さないといけず、ただただ時間がもったいない。
 

末永く付き合えるパターン

末永く付き合えるパターンはこれまでもいくつかのブログで取り上げてきたので、さらっといきます。
 
・農家と施設との間でコミュニケーションがうまくとれる
・お互い綿密にすり合わせや情報を共有できる
・農家と現場の支援員ですぐにPDCAを回し、改善していく
・お互い歩み寄りが出来る
・はっきり言い合える関係性
・農家と施設の相性の善し悪しはあり、相性が良いとOK
 
私自身、まだまだ至らぬ点も多いですが、末永く付き合える施設さんとの交流を深めていきたいです。

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