健康食品やオーガニックの野菜を選んでいるときによく出てくる言葉、「抗酸化物質」。
あなたはこの抗酸化物質がどんなものかご存知ですか?
私はつい最近まで正直なんのことだかさっぱりでした(笑)
今回は、近年よく耳にする「抗酸化物質」とは何かを見ていきたいと思います。
抗酸化物質とは
厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトによると、
抗酸化物質とは合成または天然の物質で、細胞の傷害を予防したり遅らせたりする性質があるもの、
とされています。身体が酸化するのを抑えるものです。
野菜や果物に多く含まれており、野菜や果物の多い食事は健康に良いことがわかっています。
この抗酸化物質には、ビタミンC、E、セレニウム、ベータカロテン、リコピン、
ルテインやゼアキサンチンといったカロチノイド類やポリフェノールなどといったものがあります。
近年、数多くのサプリメントが出ていますが、研究によって抗酸化サプリメントによる
病気の予防効果などは示されていないそうです。
ただし、一度にたくさん使用したり、一日にたくさん摂取すると健康に害があることはわかっています。
身体が酸化する?活性酸素とは
人は生命を維持するために空気を吸うことで酸素を取り入れ、
食べ物を食べることで必要な栄養素を取り込み、エネルギーを作り出しています。
この吸った空気(酸素)がすべてエネルギーを作るために使われれば問題ないのですが、
数%使われないそうです。
この使われなかった酸素が酸化したものが「活性酸素」となります。
活性酸素は、体内に侵入した細菌やウイルスの攻撃から身体を守ってくれる大事な物質です。
しかし、偏った食事、不健康な生活習慣、心理的要因やたばこの煙や大気汚染、
日光などの環境要因などで活性酸素が過剰に作られてしまい、
細胞に傷をつけ老化やがんなどの病気の原因になってしまうことがあります。
野菜・果物の抗酸化物質
野菜や果物に抗酸化物質が多く含まれていますが、
どんな野菜にどんな抗酸化物質が含まれているのでしょうか。
代表的なものを「日本食品標準分析表2015年度版」を参照し、いくつか取り上げてみたいと思います。
ビタミンC
ビタミンCは活性酸素を消去する抗酸化能力をもつとされています。
東京都健康長寿医療センター研究所の研究によれば、
ビタミンCが不足すると様々な老化関連疾患(例えば、難聴、白内障、糖尿病や慢性閉塞性肺疾患など)
になりやすいことが明らかになったそうです。
ビタミンCを多く含む食べ物としては、
赤ピーマン |
130g |
221mg |
黄色ピーマン |
130g |
195mg |
芽キャベツ |
100g |
160mg |
レモン |
100g |
100mg |
ピーマン |
100g |
76mg |
とされています。
12歳以上の男女では一日100mgの摂取が必要です。
ビタミンCは水に溶けやすい、熱に弱いといった性質があり、
生や火を通すときには控えめにするなどの注意が必要です。
ビタミンE
ビタミンEは、コレステロールが酸化するのを防ぐ働きがあり、
血管を健康に保つ作用などがあることがわかってきています。
ビタミンEを多く含む食べ物としては、
ひまわり油 |
38.7mg |
アーモンド |
31.0mg |
生落花生 |
7.2mg |
西洋かぼちゃ |
4.7mg |
赤ピーマン |
4.3mg |
*含有量(mg)/可食部100gあたり
摂取基準量の目安は年齢や性別によってことなりますが、
18歳以上の男性で6.5㎎、18歳以上の女性で6.0㎎と設定されています。
ビタミンEは油脂に溶けやすく、光や熱、酸素によって壊れやすい性質があるそうです。
βカロテン
βカロテンはビタミンAの前駆体の一種で、強い抗酸化作用があると言われています。
しかし、複雑な生体機構の中でβカロテンによる効果だけを見るのは難しく、
十分に明らかになっていないのが現状のようです。
βカロテンが多い野菜を見ていくと、
人参/皮むき ゆで |
7200mg |
人参/皮むき 生 |
6700mg |
ほうれん草/ゆで |
5400mg |
春菊/ゆで |
5300mg |
にら/ゆで |
4400mg |
*含有量(mg)/可食部100gあたり
βカロテンは適正量がまだわかっていないというのが現状のようです。
食事のバランスや適度な運動も大事
いかがでしたか?
抗酸化物質について少しだけ見てきました。
抗酸化物質は人の健康に良いことがわかりましたが、摂りすぎには注意が必要です。
また、ただ食べるだけではなく、適度な運動や正しい生活習慣なども大切だと言われています。
何事もバランスよく、生活そのものも考えながら、体に良い食べ物を食べていきたいものですね。