私が農業を始めたきっかけ話その2-脳脊髄液減少症と東日本大震災

前回のブログでは、園主自身が交通事故にあい、原因不明の症状に悩まされた経験があったこと。
原因不明の症状に悩まされつつも、野菜作りをきっかけに復職を果たしたことを書きました。 

農業を始めるきっかけ話その1-交通事故と原因不明の症状

今回はこの続きです。

原因不明の症状を抱えたまま…

野菜つくりをきっかけに体力が向上し、日常生活を送れるようになったタイミングで、リハビリの仕事に復職をしました。

その職場では、言語聴覚士を始めて雇用したこともあり言語聴覚士業務の立ち上げやデイケアの利用者さんの送り迎え、食事中の見守りや介護の補助など休む暇もないくらい忙しい環境でした。でも、今まで働けなかった分、働くのが楽しかったし、「訳あり」の私を雇用してくれたのでその感謝の気持もありました。 

朝から夜遅くまで働き、休日はリハビリ職の勉強会に参加したり時間が出来たときは野菜作りをしたり。
そんな生活を送っていたのですが、原因不明の症状は治っていませんでした。
だんだん吐き気やめまいがひどくなってきたら少し休んで、良くなったらまた動いてを繰り返していました。

症状の悪化

そんなある日、あの東日本大震災が起きました。 

仙台市の沿岸に住んでいた私の自宅は全て流され、家族と再会できたのは1週間後でした。
どこに住めるかも今後の生活がどうなるかもわからずに1日1日を過ごしていた中で、それまで気合でやっていた身体に異変が起き始めていました。 

再び頭痛がひどくなり、吐き気がひどく、物が食べれなくなり、体重が激減。
手足のしびれも日に日にひどくなっていきました。 

ある日仕事から帰ってくると手足がものすごく重く、目も視界の一部が欠けているように見えました。 

「疲れているのかな」とその日は早く床についたのですが、次の日起きると片方の手足が思うように動かなくなっていました。
すぐさますぐ近くの病院を受診し、脳の検査をしてもらいました。 

脳梗塞や脳出血ではなさそうだ、ということになり、後日神経内科の先生に診てもらうことに。
そこでわかったのが脳脊髄液減少症でした。

しかもどうやら専門学校時代の交通事故が原因なのではないか、とのことでした。
そのまま別の病院に転院し、3週間治療を受けることになりました。

交通事故にあってからかれこれ5年の月日が流れていました。
治療を開始してからは、それまで悩まされていた頭痛や吐き気は改善し、少しずつ快方に向かいました。 

しかし、脳脊髄液減少症の治療を終えた後も長時間立ち仕事で動き回ると手足のしびれや頭痛、吐き気が出てしまい、完全に症状が解消することはありませんでした。 

再度、病院で受診し、再入院を勧められましたが、今度は全く症状が改善されないどころか、点滴治療で具合が悪くなってしまいました。
神経内科の先生には「点滴治療で具合が悪くなるので、何か違うものがあるのではないか」と訴えましたが、「私の言うことに文句があるなら治療するな」と追い出されました。 

原因不明の症状には原因が2つあった?

「結局、自分のこの症状は何だったのか」と途方に暮れていると、とある知り合いに交通事故などで私と同じような症状に悩まされている人を多く診ているという病院を紹介してもらい、受診してみることにしました。 

そこでは医者の先生が本当に丁寧に診察をしてくれました。
そして、もう一つの原因がわかったのです。 

それは頸の変形でした。
レントゲン画像ではわかりずらい、医者が触診しないとわからないくらいの微妙なもの。
長年、きちんと治療せずにそのままにしていたことで、少しずつ少しずつずれてきたのではないかということでした。 

そして、治療は先生から整体院を勧められ、そこで行うことにしました。
通い始めてからは日に日に症状が良くなり、今ではほとんど症状は消えました。
疲れが溜まっているときや気圧の変化?(天気が悪いとき)には症状がひどくなりますが、日常生活が送れぬほどのものではありません。 

ただ長年放置した首の歪みは解消せず、今後は歪みがひどくならないようにしていく対処療法が中心と先生からは言われています。

入院と震災と

自分自身が脳脊髄液減少症、首の変形が原因で吐き気やめまいといった症状が続いていたこと。
そして、東日本大震災で生活を0から再建していくこと。

この2つが重なった時に、かつて「いつか自分と同じ悩みを抱えている人に農業を通して何かしたい」という思いが強くなりました。
人生は一度きり、ここまできたら自分のやりたいことをやろう!と決めたんです。

ここから新規就農するための行動を取り始めました。

脳脊髄液減少症は私のように治療をして日常生活を送れるくらいに回復する人もいれば、日常生活が困難になる人もいると聴きます。
私自身経験しましたが、本当に辛い。

農業を通して、脳脊髄液減少症を良くすることは出来ませんが、寝たきりで落ちた体力や筋力を少しずつ向上させたり、太陽の光や自然を五感で感じることでリフレッシュは出来ると考えています。こうしたきっかけで、次のステップを踏めるよう場所作りをしていきます。

関連記事

  1. カロテノイドって何?!-②

  2. 農福連携での作業の安全面はどうする?-農福連携のお話④

  3. 風の流れを読む

  4. スーパーの有機野菜は美味しくない?-そう言われる原因とは

  5. 何故ソルガムシロップに挑戦するのか?-農福連携から

  6. じゃがいもの植え付け!―農福連携の話