食品の説明で「ミネラルが豊富です!」というのを見かけますよね。
水にも「ミネラルウォーター」がありますが、最近はビタミンと同じくミネラル不足の人も多いそうです。
ミネラルは人の身体にも野菜を栽培するうえでも不可欠なものです。
今回のブログでは、そんなミネラルについても見ていきましょう。
Table of Contents
ミネラルの世界
ミネラルにもビタミンと同様に酵素の働きを助ける役割があり、不足しても多く摂取し過ぎても身体によくないと言われています。
ビタミンとの違いはミネラルは無機質であることです。
人の身体に栄養素として不可欠なミネラルはカルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロム、モリブデン、
マンガン、鉄、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素の13種類で、厚生労働省で定められています。
その中で今回はカルシウムについて見ていきます。
カルシウム (Ca)
骨をつくるとして有名なカルシウムはミネラルです。
骨の他にも歯や血液、筋肉の健康を保つ、心臓の収縮をスムーズにするといった働きがあります。
骨に蓄えられる「貯蔵カルシウム」と筋肉や血液の中にある「機能カルシウム」の2種類があり、不足すると骨粗しょう症、
神経や感情の乱れ、高血圧や動脈硬化のリスクが高まります。
カルシウムを多く含む食品には、干しエビ、煮干し、ひじき、えんどう豆、チーズ、モロヘイヤ、バジル、ゴマなどがあります。
適量のリンはカルシウムと結合して骨へのカルシウム貯蔵をおこないますが、摂り過ぎるとカルシウムを排泄してしまいます。
このリンはインスタント食品や加工食品に多く含まれていますので、これらの食品の過剰摂取に注意しましょう。
また、マグネシウムには細胞内のカルシウム濃度を調整する働きがあるので、マグネシウムもバランスよく摂取しましょう。
畑とカルシウム
野菜を育てるときにも畑にカルシウム(石灰)を撒くことがあります。
畑に撒く場合には、土の酸性度を調整する目的で使うことが多いです。
それ以外の目的ではほとんど使われません。
元々砂や砂質の土以外の土にはカルシウムが含まれており、
植物が根から吸収できるために必要ないと考えられています。
あまり植物とカルシウムはイメージが湧きにくいのですが、
実は植物にとってもカルシウムは必要なものなのです。
哺乳動物の場合には骨や血液、神経の働きに重要な役割を果たしているのですが、
植物では細胞壁を作る際に役割を果たしています。
どんな役割かというと、細胞と細胞を結びつけるセメントのような役割です。
植物の場合でもカルシウム欠乏や過剰の症状が出ます。
例えば、トマトを育てていると実のお尻の部分が黒くなることがあります。
これは植物がカルシウムを吸収できずに起こる欠乏症です。
過剰の場合は、カルシウム自体が植物に直接的な影響を与えはしないのですが、
過剰になることで他の栄養素を吸収しにくくなり、別の栄養素の欠乏症が出てしまいます。
いかがでしたか?
ミネラルって聞くとイメージが湧きにくいですが、一つ一つ見ていくと意外と身近なものに感じることができるかもしれません。
人も植物もバランスよくカルシウムを取って健康な身体を目指したいものですね。
[参考資料]
農業技術体系−土壌肥料−「カルシウムの吸収と生理作用」、「石灰質肥料」