農業での選択と集中の大切さ

MITUでは、これまで少量多品目で年間50種類以上の野菜を育ててきました。
おそらく、これから新規就農する人の中にも少量多品目栽培を目指す人が多いと思います。

有機栽培=少量多品目栽培、野菜セットというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?
少量多品目と単一あるいは少品目栽培では実際の現場で何が違うのか?
MITUが少量多品目から品目を絞った経緯をお話しながら、見ていこうと思います。

これから少量多品目栽培を目指す方、少量多品目の野菜セットにこだわりを持っている方の1つの参考になれたらと思います。

農業では選択と集中が大事かも?!

まずは結論から。
これまで農業をしてきて、農業では選択と集中が大事だと痛感しました。

生産者目線では、品目を絞れるだけ絞ってから農業を始めたほうが良い
消費者目線では、品目を絞って手間暇をかけて育てた生産者の野菜のほうが栄養満点の可能性が高い

と個人的には考えています。
では、何故、そう考えているのか、理由をお話しようと思います。

品目を絞ることでの生産者のメリット

品目を絞ることでの生産者のメリットは次の4つになると考えています。

1.一つ一つの作業に集中できるようになる
2.作業に集中できることで畑の管理が隅々まで届くようになる
3.天候不順や災害が起きたときに対応しやすくなる
4.結果的に、収穫量品質とも安定した野菜が採れる

これは生産者として経営を安定させるためでもありますし、お客さんへよい物を届けるためにも大切だと感じています。

消費者視点からのメリット

食べる人から見たメリットは、次の2つにあると考えています。

1.比較的安定して野菜が調達できる
2.美味しい&栄養満点の野菜が食べれるかも?!

2の理由は、作物を絞って育てている生産者の多くは

その土地や気候に合った野菜に…
土作りに時間を
生育期間の間に手間暇を

かけているからです。
いろんな文献を調べたり先輩農家さんの話を聴く中で、この条件で育てられた野菜で栄養価が高い傾向があることがわかりました。

少量多品目栽培で悪循環?

少量多品目栽培では、品目が多いことが原因で

1つ1つの作物にかける時間が限られる
技術が向上しにくい
時間に追われ、管理が行き届かない

といった状況に陥りやすく、結果的に生産者は営農を続けるための費用捻出が厳しくなったり、収穫量や品質が上がらずお客さんの元へ野菜を届けられないという事態が起きやすくなります。

ここで生産者(実は私も含む)が「こうなったら規模拡大だ!」と面積を増やすと悪循環のループにはまってしまいます。

MITUでも選択と集中の時が来た?!

2020年も新型コロナやら天候不順、最近では野菜の大暴落など話題の絶えない年になりました。
MITUでもなんとかかんとか生き延びることができましたが、影響は大きく、これから再建していく形です。

そんな現状の中、少量多品目栽培を辞め、作付け品目をがっつりと絞り、その絞った作物に集中することにしました。これにはいくつか理由があります。

身土不二から見る適地にあった作物

身土不二とは、元々は仏教の言葉で、「その土地に合った、旬の野菜を食べ、生活するのが良い」という意味で使われる言葉です。
この言葉を改めて考えました。

仙台沿岸部の畑は基本的には砂質、圃場整備の畑も場所によって癖がかなり強いのですが基本的にはベースが砂壌土という砂に近い畑が多いのです。

土の性質によって育ちやすい野菜育ちにくい野菜があるのですが、砂質の畑に合う野菜となると根菜類(人参や大根)、ブロッコリー、豆が向いていると言われています。

MITUでも色々と試行錯誤しながらいろんな野菜を育ててみましたが、うちの畑でよく育つのは、人参、さつまいも、落花生、ブロッコリーだということがわかってきました。

まだそれぞれの畑の癖を完全には把握していないのですが、大まかに「ここの畑は人参向き」とか「ここは水が抜けにくいから◯◯を植えよう」という感じに(この癖を把握するのにだいぶ時間がかかりましたが…)。

砂質に合った作物に絞り、その栽培に集中することでより美味しいものをお届けできるようにしたいと考えました。

農福連携を強化していくために

もう一つの理由は農福連携を強化していくためです。

これは今年ご縁があり新たに連携した施設さんが増えたり、個人でも研修生として研修に来る人が増えてきた中で、「少し品目を絞って、1つの作業に集中したほうがよさそうだな」と感じる場面を多く感じたことにありました。

これまでは農福連携していた施設さんが自身でも畑を借りて野菜を育てていたこともあったので作業打ち合わせや活動も比較的スムーズだったのですが、問い合わせや見学に来る施設さんはまるっきり農業経験がないというところも多く、1つ1つ指示や指導をしていく形になるケースが多かったんです。

そうなると少量多品目では施設のスタッフさんや職員さんが覚える工程も多くなり、作業できないことも多くなる。ここをなんとかしないとなあと感じたんです。

そこで、1〜2品目に絞って作業をお願いしようと考え始めました。

1〜2品目の管理作業をしっかり覚えてもらったほうがお互いやりやすくなるし、(1つの作物の栽培面積が増えるので)結果的に受入人数も増やすことができます。

より美味しい&栄養満点の野菜を届けるために

正直なお話、少量多品目で栽培していた時、目の前の作業に追われてしまうことが多く、対応が後手に回ることが多くありました。その結果、収穫量も品質も不安定、という状況を招いてしまいました。

美味しい&栄養満点の野菜を届けたい!という想いだけが一人歩きをし、中身がどんどん伴わない状況になってきていることに気づいたんです。

ですので、原点に帰り、作物を絞り、1つ1つ真心込めて育てようと決めました。

MITUで育てる野菜

ということで、今後MITUは品目を絞ります!

【MITUスタッフメイン野菜】2021年時点

人参⇒7月〜翌年3月ころ販売
さつまいも⇒10〜11月販売
ブロッコリー⇒10〜翌年1月販売
ヤーコン⇒11〜翌年2月販売
とうもろこし⇒7,8月販売

こちらを主として育てていきます。

【別枠】2021年時点

ソルガムシロップ⇒鋭意、商品開発中

【農福連携スタッフメイン作物】2021年時点

エダマメ⇒7〜9月
落花生⇒10〜11月
ホウレンソウ⇒12月〜翌2月

まとめ

今回は農業で品目を絞るメリットをお話しました。
生産者、消費者それぞれの視点でメリットがあると考えています。

MITUでも品目を絞ったので、ここから1つ1つ集中していきます!

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