12月からひたすら人参の収穫を続け、今週でようやく今季終わりとなります。
今季は大きな被害もなく通常運転で人参の終わりを迎えられそうです。
FBでは時折ネタとして書いています。
メンター(以下、師匠)との出会いと変化。
今回はそんなお話をしたいと思います。
Table of Contents
1.変わった就農
私はちょっと変わった新規就農の仕方をしたタイプだったので、就農前後にメンターとなる方はおらず自力で就農しました。
元々、リハビリの仕事をしていたので、経営のことや福祉以外の分野のことなんてまるっきりわからずにポンと足を踏み出したんです。
就農や農業に関することは本や論文を読みまくり、農業系大学院に通い、いろんな先生に教えを請いました。
週末には県北の祖母の家に行き、祖母に野菜の育て方や産直への野菜の出し方などを教わっていました。
これはこれで貴重な経験だったのですが、これから就農を目指す人には就農前にメンターと出会うこと、そして農業経営に関する心構えを学んだほうがいいことを勧めています。
2.師匠との出会い
私は2019年に起きた台風大雨被害で「倒産」という文字が頭を過ぎりました。
「どうしよう」と絶望の淵に立ちながらも、とにかく資金調達と経営相談を出来るような人と出会わないとまずいと思い行動しました。
台風被害は台風被害で大きな損失が出ていましたが、そもそもその前の時点で自転車操業状態で経営が良くなる兆しも見えてこない状態だったんです。
あるSNSで情報収集をしているときに今の師匠に出会いました。
現役の農家兼農業経営コンサルタントをしているという投稿をみて恐る恐る師匠にDMを送り、実際に遠方から圃場に来てもらいいろんなアドバイスを貰いました。
当時は少量多品目有機栽培、震災被災農地で土もダメダメで、師匠の言葉一つ一つが胸に突き刺さったことを覚えています(笑)
師匠のアドバイスで憤慨する相談者も多かったそうですが、私の場合はすべて事実だったのでグサッと抉られるような感覚でした。
経営者には大きく2つのタイプがいて、農業経営を始めてから/アドバイスをもらってからポンとすぐ経営が上向くタイプと経営が上向くのにとても時間がかかるタイプがいます。私は後者のタイプで上向くのに時間がかかると言われましたし、自分でもそうだと思いました。
なので、数年かけて少しずつ経営を上向きにしようと決めたんです。
(そう決めてから周りの方の支援もあり資金調達も出来、なんとか営農を続けられることができました)
3.「選択と集中」
師匠からいろんなアドバイス、特に農業経営に関する心構えを教わることが多かったのですが、その中でも最も自分の中で残った言葉が「選択と集中」でした。
多品目にはせず土地にあった作物に絞り、面積を適正化し、その作物に集中することで事業が拡張していくというものです。
師匠と出会う前までは年間60種類とか80種類の作物を育て、毎日いろんな作業に追われていました。
これを少しずつ減らしました。
すぐにでも数品目に絞りたかったのですが、当時の取引先との関係もあり、毎年少しずつ品目を減らしたんです。
4年くらいかけて、メイン作物を3品目(ナス、人参、アスパラ)まで絞りました。
3品目に絞り込むまでには不安もありました。
売り先を新しく確保しないといけないけど大丈夫かとか災害が起きたときに一気に売上が吹き飛んでしまうとか。
でも、意外となんとかなりました(笑)
1つ1つの作物に集中することで作物のちょっとした変化にも気づいて対応できるようになりましたし、少しずつ時間的な余裕が産まれたことで営業する時間も少しずつ捻出出来るようになってきたんです。
少量多品目有機栽培の頃、毎日休み無しで10時間以上仕事していました。
今は結婚し子どもも産まれたことで家族との時間も作るようになりましたが、少量多品目有機栽培時代と比べると時間的な余裕が少し生まれ月商も数倍になりました。(少量多品目有機栽培自体の月商が少なすぎたというところではあるんですけどね)
まだまだ異常気象に充分対応できず収量が下がってしまうことも多く経営的にはまだまだ底ですが、少しずつ上向いています。
4.師匠との出会いは大切に
新規就農する際には、就農予定地の農業経営者や農業大学校で研修を受けることが多いと思います。
まずはいろんな農園を視察することをおすすめします。
いろんな農園を視察し、そこでうまく行っている農業経営者とそうでない経営者がなんとなくわかってくるはずです。
うまく行っている農業経営者と知り合い、その方を師匠とすることで農業経営がスムーズに進むかもしれません。
就農の際には、師匠と出会い、そこから学ぶことをおすすめします。