あなたは、カロテノイドという言葉を聴いたことがありますか?
私たちがトマトや人参を販売しているとき、時折「カロテノイドたっぷりね!」と
お客さんからお話しいただくことがあります。
野菜の育て方以外のことは正直ちんぷんかんぷんな私。
このブログでは、カロテノイドって聴いたことがあるけど、どんなものなのか?!を見ていきたいと思います。
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カロテノイドとは
カロテノイドとは、天然に広く分布する黄色や赤色といった脂溶性の色素だそうです。
微生物や植物により生合成されていると考えられています。
身近な例としては、花の黄色や橙色、野菜や果物の黄色や赤色、
鮭の切り身やイクラの赤色といったものがカロチノイドだそうです。
動物はこのカロテノイドを生合成する能力がないので、
食べ物から取り込んだカロテノイドをそのまま蓄積して利用するか、代謝しています。
カロテノイドは2000年以降、生活習慣病やガンの予防や抗酸化活性の研究が行われ、
その作用が注目されてきました。
どんな野菜に含まれているの?
緑黄色野菜にそれぞれ特徴的なカロテノイドが含まれていると言われています。
代表的なものを挙げると、トマトのリコペンや人参のβカロテン、
ホウレンソウに含まれているルテインなどがカロテノイドになります。
リコペンやβカロテンと聴くと、「ああ、これのことなんだ!」と少し理解できた、私です。
どんな作用があるの?
では、それぞれの野菜に含まれているカロテノイドにはどんな作用があるのでしょうか?
カロテノイドの代表的なもの3つを見ていきたいと思います。
リコペン
トマトに多く含まれていることで知られていますよね。
よくテレビでもリコペンが身体にいいという内容のものを見かけます。
リコペンは、強い抗酸化作用があり、活性酸素が関わるガンや血管の病気、
生活習慣病を予防したり抑える効果があると言われています。
特に、リコペンは前立腺や精巣に蓄積しやすいと考えられており、
前立腺がんのリスクを低下するという研究報告もあります。
β-カロテン
人参などに多く含まれていると言われています。
β-カロテンは身体の中でビタミンAへ変わり、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、
視力の維持や免疫力の強化などの効果があると言われています。
ビタミンAは摂りすぎると身体に悪いとされていますが、
β-カロテンは食べすぎても問題ないと考えられています。
また、疫学的な調査から発がんリスクの軽減が見られていることから、
ガンの予防効果が注目されています(*1)。
ただし、現時点で不明な点も多く、これからの研究に期待されています。
*1
喫煙者やアスベスト作業者を対象にβ-カロテンを
大量投与(食事から摂取する量の3〜5倍)すると肺がんの発生率が増大したという結果もあります。
ただし、食事摂取量の3〜5倍という数字はあまり現実的な数字ではないと考えられます。
ルテイン
ルテインはホウレンソウやブロッコリーに多く含まれています。
主に、目の病気を予防する効果があると考えられています。
いかがでしたか?
普段何気なく食べている野菜には、こんな作用もあることがわかりました。
カロテノイドが身体に良いからと言ってサプリメントを過剰に摂取するのは
危険と言われていますし、野菜などをきちんと食べることで補えるのでしっかりと
食事を摂っていきたいものですね。
参考資料
高市「カロテノイドとヒト」2012
矢賀部「野菜と果物の色に宿るチカラ」2013
眞岡「カロテノイドの多様な生理作用」2007