野菜の選び方ー農薬不使用の野菜どう選ぶ?よくある誤解

虫食いの野菜のほうが農薬不使用で安心できる!
小さい野菜のほうが栄養が詰まっているからいい!
葉の色を見て、薄いのを選んだほうが安全!

農薬不使用の野菜を買うとき、こういった基準で選んだりしていませんか?
その基準、間違いかもしれません。 

このブログではMITUでよく質問がある”農薬不使用の野菜の選び方”とよくある誤解についてお話したいと思います。

農薬不使用の野菜の選び方

結論、旬の時期に育てられたもので新鮮であればOKというのが個人的な意見です。
有機JASや各県の農産物認証等を取得しているもののほうが第三者から「栽培期間中、農薬不使用」と認められているものなので安心出来るかと思います。認証をとっている農産物が見つからない場合は、生産履歴を出している農家さんの履歴を見るのもいいかもしれません。

よく誤解されやすいのが、
・虫食いは安全
・大きい方よりも小さい方が安全
・葉の色が薄い緑が安全
という基準で農薬不使用の野菜を選ぶ場合です。

何故、この3つが誤解なのかを見ていきます。

虫食いは安全?

よく「虫が食べているほうが安全で美味しいんですよね?!」と聴かれることがあります。 

虫が食べている=安全で美味しい、とは限りません。 

確かに虫がついている=農薬不使用、減農薬ということはなく、農薬を使用した場合でも虫はつきます。
虫食いが多すぎる野菜は、生育に適切な環境で育った野菜ではないことが多いです。
肥料が多すぎたり、土壌の栄養分が少なかったり、異常気象で野菜が弱ったり、旬の時期ではなかったり。
様々な理由で虫や病気はついてしまいます。

ですので、「虫がたくさん食べているから、安全な野菜だよ!」とはならないんです。
旬の時期に、生育に適切な環境で育った野菜は、虫がびっしり!というのは稀だったりします。

小さい方がいい?

小さい方が栄養が詰まっているし、腐らないし、安心と思っている方もいると思います。
私も『野菜は小さい方を選びなさい』という本を読んで、そう信じ込んでいた時期がありました。

大きくて立派な野菜を育てている農家さんは、有機質肥料や堆肥を大量に使用して育てている。
そういった野菜は腐りやすいし、中がスカスカだったり、美味しくない。

という感じです。
でも、実際に現場でいろんな工夫をしながら育てていると、実際には小さい野菜=栄養満点、腐らない、安心というわけではないということを感じています。

栄養満点の野菜とはどんな風に育った野菜なのか、についてはこちらのブログで取り上げています。

https://sizennouenmitu.com/archives/2932

土作りがしっかりした畑では肥料や堆肥を大量に入れずとも立派な野菜が育ちますし、栄養分析などをしても「栄養不足」な野菜ではない。
むしろ、土の養分をしっかり吸収した野菜は栄養が詰まっていたりします。
腐敗検査をしても腐りやすい、ということはあまりないように感じています。

どちらかというと土壌の水分が多かったり(雨が降り続いたり)、土の養分をバランス良く吸えなかった野菜のほうが痛みやすかったりします。

ですので、小さい方がいい、というのは違うと考えています。

葉物野菜は濃い緑色がいい?

葉物野菜は濃い緑のほうが良いというお話。
私もかつては新緑の緑〜薄い緑の野菜を選ぶことをおすすめしていました。

理由としては、濃い緑は硝酸態窒素という成分が多く含まれていることが多いと言われていたからです。 

硝酸態窒素が多い野菜を摂取した赤ちゃんが酸欠状態になり、死亡するという出来事がありました。
ブルーベビー症候群と言われるものです。
農水省でも「野菜等に関する硝酸塩の情報」を掲載しています。 

硝酸態窒素は身体に必要な要素であると言われていますし、一方でガンとの関連性を指摘しているものもあります。
「適切な量」が大事なのではと思いますが、まだ詳しいことはわかっていないようです。

ただ硝酸態窒素が多い=葉の色が濃い緑色、というのは誤りです。
葉の色が濃いのは品種の特徴であることがほとんどです。

実際に同じ品種、同じ育て方をした圃場で硝酸態の値を測定すると、あるものは硝酸態の値が低く、別のものが高いということがあります。
見た目では全く判断できません。
値の違いは、何かしらのきっかけで生育不良を起こしたことが要因と考えられます。 

無農薬野菜を買う時のポイント

以上、無農薬野菜を買うときのポイントをまとめると、 

①虫がたくさんついている野菜は避けた方が良い。
②大きい野菜が危ないという根拠はない
③葉物野菜は新緑〜薄い緑のものが良いというわけではない。

というのは誤解。
見た目では判断が難しいので、旬の時期に育てられたもので新鮮であればOK。
不安であれば、有機JASや各県の農産物認証等を取得している農産物を選び、認証をとっている農産物が見つからない場合は生産履歴を出している農家さんの履歴を見て購入するのがいいと考えています。

 

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