昔から農家では「苗半作」という言葉があります。私も就農した頃から「苗、上手に育てないとダメだぞ!」と祖母から口酸っぱく言われていました。
苗半作という言葉は苗の出来でその後の作柄の半分が決まるという意味です。これが本当、難しい・・・。今日は、そんな苗半作のお話。
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異常気象が増えてきたからこそ
苗作りが大事だというのは就農した頃から教わってきたのですが、近年異常気象が増えてきた中で、より苗作りの大切さを感じる場面が増えてきました。
例えば、種をまきその後そのまま植えっぱなしにしていた苗と健全でがっちりと仕上げたナスの苗を比べてます(あくまで私の実体験の範囲内ですが)。
・定植直後に強風が吹くと普通の苗は茎が折れてしまうのですが、がっちりと仕上げたナスはちょっとやそっとの強風ではびくともしません。
・収穫量は2023年の高温少雨でも倍以上採れる量が変わりました。
他にもキャベツやブロッコリーの苗も苗つくりをするとカルシウム不足の症状が出にくくなったり乾燥が酷い場合でもある程度成長してくれたりと苗作りをしっかりとするって大事だなと感じさせられることが多いです。
言うのは簡単だけど、実際は…
苗作りが大事!健全な苗を作ろう!と思っても、実際にやってみると本当難しいなといつも思います。
たぶん私のようなズボラな性格だと特に難しさを感じるかもしれません。
苗作りでは、様々な条件で育苗の仕方が変わってくることもあるので、常々学んでいます。
例えば、育苗培土が変わればその後の管理の仕方も変わってきますし、季節や天候で水やりの加減をかえたり、肥料の使い方も変わってきます。
私のように経験の浅い者は毎年毎年試行錯誤を繰り返しながら取り組んで、少しずつ形になっているような感じです。
実学
農業を始めてからつくづく思うのは、本当「実学」です。
栽培に関する知見、研究はたくさんありますが、実際に自分の畑、周辺の環境、気候、人員などなどいろんな要因で野菜の”出来”は変わってきます。
県外の成功事例の農家さんのやり方をそのまま自分の農場に取り入れたとしても成功するとは限りません。
カスタマイズをしないと難しいかなと感じています。
こうした実学が面白くて辞められないんですよね(笑)
まだまだ修行していきます。