ただひたすらに向き合う

今年もいよいよ残り1ヶ月となり、夏の猛暑の影響で販売できる野菜も少ない中、今年を振り返る時間が増えてきました。
周りも含めて、口々に出るのは「今年はこれまでで特にひどかった」という言葉でした。
確かに今年の夏はとても過酷でした。
ただ振り返ってみると、やはり毎年「ひどかった」という出来事は続いています。

毎年”ひどい”の連続

記憶に新しいところで見ていくと、仙台沿岸は2017年の36日連続の降雨から続き毎年のように台風、豪雨、日照りが続いてきました。
これは仙台に限らず、どこの地域でも起こっているものだろうと思います。
異常気象以外にも新型コロナもありました。

こういった異常気象や不測の事態はこれからも続いていくものと推測しています。
こう推測していく中で1農家としてやっていけることは何か。

農業の基本となる土作り、栽培に向き合い続けていくしかないのかなと考えています。
もちろん、経営的な部分も大事です。
ただ販売できる作物があり、それを販売してこその経営なので、やはり根幹には「生産」があると思います。

生き残り戦略の中で

異常気象以外にも物価高の影響で様々な物が値上がりし続け、一方で農産物の取引価格はほぼ変わらないという状況の中、各々の農家で生き残り戦略が取られています。
人の雇用や設備導入で規模拡大、6次産業化で商品開発、市場取引から直接取引への切り替え、福祉事業所を開設し農業以外の収益源確保などなど。
私の周りを見ても、それぞれのビジョンの元、動きが活発化してきたように感じています。

MITUはどう生き残り戦略を取っていくかと言うと、「生産」に今まで以上に集中することにしました。
これまでもブログでは「生産に集中!」といったニュアンスの投稿をしてきましたが、24年はさらに作付け品目を絞り、その絞った品目に集中することにしました。
品目を絞ってきた中で、急に作付けをやめるわけにはいかない品目もあったので、絞り込むまでに数年の時間を要しました。

不器用だからこそ

私は、好奇心旺盛な方なので興味のあるものは「とりあえずやってみる」ことが多いんです。
ただとても不器用なので、それがうまくいったことはありません(笑)
一方で、不器用だからこそかもしれませんが、1つのことになるとそればかりをどんどん深めていく習性があります。

自分の性格も考えると、規模拡大や六次化といったことに手を広げず、黙々と「生産」に集中したほうがよいと考えました。

また、異常気象が続く中で、1つの作物に手をかける時間が増えています。
大雨が降れば土地の低いところにある畑の排水をしますし、水没したり雨が振り続ければ病気が出やすくなるので殺菌剤を散布したり、日照りのときには何往復もして水やりをします。

少しでも1つの作物に向き合う時間が必要なんじゃないか。
出来るだけのことをやってみてもその作物がうまく育たなかったら「運がなかった」と諦められますが、それまでは出来うることはやりたい。

私のわがままもありますが、そんな思いから今絞り込んだ作物を自分の管理できる範囲(面積)で取り組むことにしたんです。

この判断が吉と出るか凶と出るかは今はわかりませんが、私自身はこの仕事がとても好きなので思いっきり楽しみたいと思います。
最後は感情論になりました(笑)

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