日本ではあまり出回っていないスイートソルガムシロップ。
MITUでは、このシロップの商品化が出来ないか、数年前からチャレンジしています。
今回のブログでは、県内のとある加工所で試作にチャレンジした内容を取り上げます。
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諦めていた試作
MITUでは、ソルガムの栽培を始めたのが2013年頃からでした。
最初はシロップにするという発想はなく、まずは畑で育てられるかどうかというところからの模索でした。
本格的にシロップにするために栽培しようと決意したのが2017年からです。
最初の年は圃場整備の畑で色々と工夫して育ててみたのですが、シロップとして絞れるほどの茎の太さにはならず断念。
2018年に再チャレンジし、いくつかの品種を栽培。搾汁をして、シロップを作りました。
最初のチャレンジということで、品種によって塩味が強烈なものや独特の風味のものがあり、ここでいくつかの品種に絞ることにしました。
そして、2019年、自前でスイートソルガムを搾汁できる機械を購入し、搾汁した搾汁液で試作品を作る準備を進めていました。
しかし、収穫目前で台風19号により全滅、シロップにできる糖度まで上がらずにシロップの試作を断念しました。
試作品は2020年に再チャレンジだなーと思っていたところ、恩師から連絡があり、「加工所で試作してもらうために少し使っていいよ」といっていただき、
シロップの試作をとある加工所にお願いしました。
シロップを通して農福連携へ
私たちMITUでは、農業を通して障害のあるなしに関わらず働きたい人の働く場・就労の場を創ることを目指しています。
スイートソルガムシロップへの挑戦も例外なく、これに当てはめて考えています。
ですので、障がいのある方と一緒にソルガムの育て方に取り組んでいますし、加工するところも県内の福祉施設で加工をしているところを探しました。
以前、別の案件で相談をした福祉施設さんにソルガムシロップの加工(試作も含めて)をお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
この取組を通して、施設に通っている人の仕事が増えるのなら!ということでお互いの志が一致したんです。
試行錯誤の試作
スイートソルガムの搾汁液を煮詰めるだけなのでシロップ加工は簡単なのでは?と思う方もいるかもしれません。
実際にやってみると、いろいろな発見と難しさがありました。
例えば、どんな鍋でどのくらいの火加減でどのくらい煮るかだけでも仕上がりが変わるんです。
私も自宅で試しにやってみたくらいで家庭用の器具と業務用の設備では勝手が違います。ですので、私も施設の加工担当の方も試行錯誤しながら、議論を交わしながらの試作品チャレンジとなりました。
1回目は本来出るはずのアクが出ず、粘度や見た目が市販のシロップとは異なり、味もほんの少し雑味が強く、失敗。
2回目は別の方法でシロップを作ってもらいましたが、今度は指定の糖度まで煮詰めるのに膨大な時間がかかってしまいました。
これはやってみて初めてわかったことなので、少しずつ方法を変えながら、効率よく施設のスタッフさんの負担が少ないやり方を模索していく予定です。
今回は初めての試みということもあり、ご協力いただいた加工施設さんや恩師には大変感謝でした。
障がいのある人たちの就労の場作りに向けて
このスイートソルガムシロップへ何故チャレンジし始めたのかというと、1つは障がいのある人たちの就労の場をつくること、でした。
仙台沿岸部で農業を通して障がいのある人達の就労の話、生きがいの持てる場を作りたいという想いで就農をした佐藤。
実際に沿岸部で農業を始めてみて、震災の影響とか震災後の圃場整備の影響とか近年の天候不順でなかなか思うように作物が取れずにいます。
スイートソルガムはあまり土壌環境を選ばずに仙台沿岸部の農地でも栽培できます。
このスイートソルガムを育て、シロップを作ることで障がいのある人の就労の場を作ることができると考えています。