復興創生インターンシップ

MITUの佐藤です。あなたは復興創生インターンをご存知ですか?

復興庁主催のインターンシップで「被災地企業・団体の経営課題に対し、経営者と力を合わせ、課題解決プロジェクトに挑戦する」というものです。

実はご縁があり、MITUでも令和2年2月から1ヶ月間、2名のインターン生に来ていただきました。

今日はそのお話を。

 

 

インターンでどんなことをしたの?

 

冒頭でもご紹介したように、復興創生インターンは東日本大震災の被災地企業や団体の経営課題を

経営者と一緒に解決していこうという内容のものです。

MITUでは、ちょうどスイートソルガムシロップの開発にこれから本腰を入れていこう!という時期にこのインターンのお話をいただきました。

 

インターンでは2名の学生さんに来てもらい、主にソルガムシロップの市場調査と販売やPR戦略の立案をしました。

具体的には、いろんな場所に出向いたりインターネット上でアンケート調査を取り、そのアンケート調査の結果からどんな風にPRしていけばよいか、どんなところで販売すると良いのかということを考えてもらいました。

 

MITUの経営課題としては、仙台の被災農地で圃場の工事が入ったところがあまりよく作物が育つ環境ではなく、野菜を育てても計画通りの収穫量を確保できない状況が課題でした。野菜の収穫量が増えないので、「働きたい」という障がいのある方の就労の機会も増やせずにいました。

 

この問題を解決するために着目したのがスイートソルガムという作物の導入です。

 

スイートソルガムは圃場の状態があまりよくない畑でも育てることが出来ます。

スイートソルガムは茎を絞って煮詰めるとシロップにすることができ、絞った際に出る残渣物を畑に戻すことで土作りにもなります。

 

このスイートソルガムを導入しシロップを開発することでMITU自身も周りで同じ悩みを抱えている農家さんも

経営的な悩みを解決できるようになるのではないかと考えました。

 

ただ、スイートソルガムシロップは日本ではほとんど出回っていないシロップで、さらに他の甘味料と比べて個性的な味がするので、「はたしてソルガムシロップは日本で受け入れられるのか」という問題がありました。

 

そこで、インターン生と一緒にこの問題を解決しようと考えたのです。

 

経営課題の解決になった?

 

アンケート調査では目標の数値を設定していたのですが、その数字を上回る集計数で、さらにそこからインターン生オリジナルの販売・PR方法を考えてもらいました。

 

これはものすごく貴重な資料・資産になりました。

 

アンケート調査も販売PR方法の立案も正直なことを言えば自分たちでも出来ました。

 

でも、アンケート調査で私たち当事者では聞き出せなかったこと、思いもつかなかった場所やお店へのアプローチ、

そして思いつきもしなかった「方法案」と、私たちではなくインターン生2人にしか出来なかったことがそこにはたくさんありました。

 

今回のインターン生受け入れを通して、ソルガムシロップが向かう方向性をさらに明確に出来、これがきっかけでMITUだけではなく地域の農家さんの経営課題も一緒に解決できる糸口になると考えています。

 

 

インターンを終えて

 

インターンというと、「企業の搾取」というイメージを持つ方も少なからずいると思います。

私も震災直後の頃、そんなイメージを持っていました。周りからの評判に毒されていたのだと思います。

 

ですが、実際に受け入れを行い、「新しい風」を入れることがとても貴重であることを学びました。

インターン生もうちでの取り組みを通して自身の目標を定めていたようです。

彼女たちにとってもMITUでのインターンがより良いものになっているといいなあと思っています。

 

 

余談

 

MITUでは普段、私と鈴木の2人で活動していて、定期的に障がい者就労支援施設からスタッフさんが来てくれて作業をしています。

そんな中でインターン生が来てくれたのは、新しい発見だけではなく、コミュニケーションの大切さも学ばせてもらいました。

コミュニケーション能力が低い佐藤にとっては、話し方や伝え方の難しさや自分の改善点を知ることが出来ました。

 

最後にインターン生2人が書いてくれた、佐藤と鈴木の似顔絵。

 

 

特徴を的確に描いていて、気に入ってます。

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