家庭菜園の土作り!―自然農園的視点から

今年のゴールデンウィークはどのようにお過ごしだったでしょうか?

MITUでは毎年ゴールデンウィークは夏野菜の準備に奔走しています。

畝作りをしたり、マルチを張ったり、苗を育てたりと、夏野菜の収穫を頭に描きながら作業しています。

今年は新型コロナウイルスの影響もあってか、家庭菜園に取り組む人も増えたような気がします。

MITUにも家庭菜園でどう野菜を育てればよいの?と問い合わせをいただくことも増えてきました。

今回のブログでは、問い合わせの中で多かった「家庭菜園での土作り」についてMITUで
これまで取り組んできたことも踏まえながらお話していこうと思います。

 

 

家庭菜園の土作りの話をする前に

 

家庭菜園で野菜を育てたい!という方の中には、化学肥料や化学農薬を使わずに育てたいという方も多くいらっしゃるかと思います。

その中で一番難しいのが土作りをどうするか?ですね。

 

ホームセンターで売っている土壌改良材や堆肥はどれを買えばよいのか、どのくらい入れればよいのかといったことが難しいところかなと思います。

 

育てる野菜によって土作りも変わってくるので、今回は「化学農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てるために必要最低限こんなことをするとよいと思う」という話をします。

 

 

家庭菜園の土作り

 

ステップ1

 

まずは、どんな野菜を育てたいのかを考えます。

どんな野菜を育てたいのかを決めたあと、その野菜がどんな土だと育ちやすいのかを調べます。

 

例えば、トマトであれば保水性のある土よりかは水はけのよい土を好みますし、
ナスであれば水はけの良い土よりかは保水性のある土のほうが好みだったりします。

 

ですので、プランターで育てるのであれば育てる野菜によって保水性のある土とか水はけの良い土を選びベースの土にします。

 

庭先で野菜を育てる際には、庭先の土がどんな土か(水はけが良いのか悪いのか、土が硬いのかサラサラしているのか)を見ます。
そして、畝を作るか、作るとするならどのくらいの高さにするかといったことを決めます(畝を高くすると、水はけがよくなります)

 

土壌改良材や堆肥を入れるのは、野菜の種や苗を植える1ヶ月以上前をおすすめします。

 

 

ステップ2

 

次に土壌改良材や堆肥などを入れます。

ここで難しいのが、何をどのくらい入れるかですよね。

 

説明するにもここが一番難しいところで、特にどのくらい土壌改良材や堆肥を入れるのかは土の養分がどのくらいあるのか
土壌分析をしないと正確な量をお伝えできないというのが正直なところです。

 

最近では、ホームセンターでも簡単な土壌分析をしてもらえたり、それが難しい場合は少なくとも土壌酸度計で土のPhを調べると良いと思います。

 

そこまでやらなくてもよいという方はホームセンターで売っている土壌改良材や堆肥などの袋の後ろに撒く量の目安が書いてあるので、
その量を見ながら購入するとよいと思います。

堆肥や肥料は撒きすぎると虫がたくさんついたりするので、それが怖いのであれば記載されている量の8割くらいに抑えるのもありです。

 

次にどんな土壌改良材や堆肥を入れればよいの?というところですが、もし私がホームセンターで買うとするならば、下記のものを買います。

 

  • 腐葉土  

 

  • 菜種粕などの植物由来の肥料か魚粕(⇒チッソ分を多く含んでいる肥料) 

 

  • 焼成灰(鶏ふんを炭化させた肥料⇒リン酸やカリを多く含んでいる) 

 

  • もみがらくん炭(炭素を多く含んでいて他にカリや鉄分を少量含んでいる) 

 

  • バットグアノ(リン酸肥料で他にミネラル分も含まれている) 

 

  • 牡蠣殻石灰(石灰やミネラル分が含まれている) 

 

  • 馬糞堆肥か牛糞堆肥、豚糞堆肥

 

この7つの肥料を育てたい野菜に合わせて組み合わせ、畑に撒きます。

鶏ふん堆肥はあまり使わないです。

 

牛糞堆肥や豚糞堆肥を使う場合は、腐葉土と牛糞堆肥や豚糞堆肥を5:5とか7:3くらいの比率で混ぜて使います。

 

 

ステップ3

 

堆肥や肥料はまんべんなくまくようにしましょう。

撒いたらあとは土とよく混ぜます。

 

道具を使う場合は、スコップやクワ(三本くわが使いやすい)が良いです。

野菜によって根の張る深さが異なるので一概には言えないのですが、基本的には深さ20cmくらい土をよくなじませるとよいのかなと思います。

この作業は結構重労働ですので、足腰を痛めないように気をつけてくださいね。

良い運動になることは確かです!

 

 

いかがでしたか?

文章を書きながら、正直説明の難しさを痛感しました。

それくらい育てる野菜や育てる場所(土)の状態によって違うということなんです。

ぜひ、育てたい野菜に合わせて土作りをして、とれたての美味しい野菜を食べましょう!

 

もし、もう少し詳しいことが知りたいという場合は、問い合わせフォームからお問い合わせください。

個別訪問や対面での説明もしておりますが、こちらは料金が発生しますのでご了承ください
(料金は依頼内容によって異なりますので個別でご相談ください)。

 

 

余談 

仙台で今の時期に夏野菜の苗を畑に植えて「ダメだった!」という相談もあります。
夏野菜(トマトやナスなど)は寒さにあまり強くないので、最低気温が10℃を下回ったりするとダメになってしまったり弱まってしまいます。

もし植えるとすれば、5月下旬以降か今の時期に植えるなら保温対策をしてくださいね。

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