なんでスーパーの有機野菜は美味しくないの?
ある時お客さんと話をしているときに出た話題。
とあるスーパーの有機野菜が値段が高いけど、美味しくない、ということに不満を持たれているようでした。
このブログでは、何故、スーパーの有機野菜が美味しくないと言われるのか?その原因を探っていきたいと思います。
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スーパーの有機野菜が美味しくないと言われる理由
鮮度の問題
これが一番大きいのではないかと思います。
一般の栽培、有機栽培、自然栽培、いずれの栽培方法でも鮮度が悪ければ「味」が落ちてしまうことは多々あります。
野菜は収穫したあとも呼吸をしたり水分を蒸発させたりしています。
そのときに糖分が少なくなったり、風味が損なわれたりします。
特に鮮度が落ちやすいと言われているのは、エダマメやとうもろこし、アスパラなどです。
うちでもエダマメやとうもろこしを育てていますが、採ってすぐに食べたときと1週間位置いて食べたときとでは、味が全く違います。
ちなみに、収穫したあとの鮮度と美味しさがあまり関係ないのはじゃがいもやカボチャ、さつまいもなど。
これらの野菜は熟成させたほうが甘く美味しく食べることが出来ます。
とあるスーパーのオーガニックコーナーを見ると地元のものではなく、全国各地から届いているもの。
しかも、残念ながら鮮度が悪いのかところどころ傷みのある野菜が散見されました。
スーパーなどに野菜が並ぶまでには、生産者が直接スーパーに納品する場合を除き、数日かかります。
その日に収穫したものを袋に詰めて出荷
↓
市場で各店舗へ振り分け
↓
輸送
↓
検品・陳列
という流れを考えると地域間の距離にもよりますが、収穫から店舗に並ぶまで基本的に2〜3日はかかります(今朝採り野菜で店頭に並ぶものもあります)。
鮮度が落ちにくい袋や冷蔵技術の向上など年々技術が進化しているので、今まで以上に鮮度が保たれたまま状態で店頭に並ぶ日も近いかも知れません。
栽培技術の問題
栽培技術の良し悪しも味に影響してくる、と言われています(私自身もそう思います)。
どんな土や環境でどんな肥料や育て方をしたのかでも味が変わってくるんです。
うちの農園でも大崎と仙台で同じように作った野菜でも「なんか味が違う」とお客さんから言われることもしばしば。
野菜にはそれぞれ砂質が相性の良い野菜から保水性の高い肥沃な土を好むものまであります。
また、冷涼な気候がよいものもあれば、暑さを好むものもあります。
その野菜の元々の生育環境に合わせることでその野菜本来の味が引き出されます。
実際には、農家が限られた土地や環境でそれぞれの野菜の最適な生育環境を整えることには技術が必要です。
有機野菜=美味しい、という誤解
有機野菜=美味しいというイメージを持たれている方も多いかと思います。
先に述べたように栽培する環境や育て方によって「美味しさ」が変わってくる可能性があります。
しかし、有機野菜=美味しいと一概には言えません。
2009年に有機栽培と慣行栽培で野菜の栄養価や味が変わるか?といった研究論文が出ました。
その論文によれば、有機栽培だろうが慣行栽培であろうが栄養素は同じ。
美味しさの評価(主観的な評価)もほぼ変わらないという回答でした。
ただし、有機栽培よりも慣行栽培で野菜に含まれる窒素量が多く、有機栽培のほうがミネラルの量が多いというデータが出たそうです。
別の研究では、栽培方法に限らず、美味しいものは美味しい、そうでないものはそうでない、という結果が出ていました。
有機栽培=美味しい、ではなく、それぞれの作物が育ちやすい環境を整えた畑で育った野菜が美味しいと考えられます。
有機野菜(オーガニック野菜)について取り上げたブログはこちら⬇
美味しい野菜を手に入れるには?
では、どうすれば美味しい野菜を手に入れることができるでしょうか。
それは、、、地元で採れた、採れたての野菜を手にすることです。
至極、当然のことといえば当然なんですが(苦笑)
農家の直売(マルシェや直売所)、スーパーの産直コーナー、宅配など手足をちょっと伸ばせば、新鮮な野菜を手に入れることはできます。
仙台近辺でも有機農家(有機農家を目指している人も含む)が増えてきました。
仙台駅周辺で買える場所もありますし、宅配をしている農家さんも多いですし、オーガニック系のマルシェやマーケットも定期的に開かれています。
ぜひ、有機野菜に限らず野菜を買う際には「鮮度」を意識して野菜を見てみてくださいね。
それではまた。