新規就農する際に、よく「農家なんて儲からないからやめたほうがいい」と言われることがあります。
実際に農業している人や農業に関わる人から言われることも多いので、驚く人もいるのではないでしょうか。
私自身も、新規就農する前、新規就農してからもよく「やめたほうがいいんじゃない?」と言われてきました。
このブログでは、何故農家なんてやめたほうがいいと言われるのかを取り上げ、さらに農家を続けていくためにはどうしたらいいかを考えていきます。
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農家なんてやめたほうがいいと言われる理由
異常気象
近年、天候や生き物に悩まされる日々が増えてきています。
例えば、仙台では
2017年に観測史上初の36日連続降雨。
2018年は春先の異常高温や少雨。
2019年は東日本台風。
細かいところでいうと、夏場に梅雨のような雨が続いたり、5月なのに真夏日になることが多かったり、挙げればキリがないのですが毎年何かしらあります。
世界的にみても毎年どこかの地域で干ばつや大洪水が起きていますよね。
ネイチャー・コミュニケーションズという科学雑誌には当面は異常な天気が続くようです。
これが人間の環境破壊によるものなのか、はたまたミニ氷河期に突入する前触れなのか、太陽の動きによるものなのか、素人の私にはさっぱりわかりません。
が、異常な天候が続くと、農作物の生産や家畜の飼育にも少なからず影響が出てしまい、経営にダメージを受けることがあります。
このように異常気象(不確定要素)で経営が不安定になりやすいことから、農家なんてやめたほうがいいという人がいます。
価格の低迷
農産物はここ数年、価格が低迷し続けています。
この理由には、輸入農産物の増加や生産物の過剰、新型コロナ発生以降は飲食店との取引減、補助金などいろいろな要因があるとされています。
農家が減ってきていることに対し危惧する声も聴かれますが、現実的には農家の数が減っても問題ないと言われています。
農家が減っていることについてまとめたブログはこちら⬇
10年前に比べると農家は減っていますが、農作物の生産量はあまり変わっていないんです。
そんな中、超高齢化社会が進み、日本人の胃袋が小さくなっていきます。
農作物が過剰な状態が続くうちは価格の低迷は回復せず、低価格で推移していくと考えられています。
そのため、出荷しても出荷しても売上が上がらないという状況になりやすく、農家なんて儲からないからやめたほうがいいと言われるんです。
本当に農家やめたほうがいいのか?
農家をやめたほうがいいと言われる理由には、異常気象や農産物の価格低迷があるということが見えてきました。
これを踏まえると、本当に農家をやめたほうがいいのでしょうか?
私自身、農業の現場に身をおいて感じるのは、
将来性はある
ただし、2022年以降数年間は生存競争が激しくなるので生き残り戦略をきちんとしていかないと生き残れなくなる
と感じています。
日本の農業は今後伸びる産業、将来性のある分野と言われています。
例えば、下記のような記事で紹介されています。
https://toyokeizai.net/articles/-/264245?page=2
https://web-camp.io/magazine/archives/41639
これから機械化、IT化がさらに進み、かつ高齢化で農業人口が減っていく中、国内消費だけでなく海外に目を向けていくと活路が開けていくと考えられています。
一方で、新型コロナ流行後は市場価格の低迷が続き、石油高騰等の影響を受けて農業資材が高騰してきています。
こうした現状の中、農家は生き残りをかけないといけない状況になっていると感じます。
生き残っていくために必要なモノ
2022年、農業は変革期を迎えているとも言われており、生存競争が激しくなると予測されています。
こうした厳しい状況の中で生き残っていくためには何が必要なのでしょうか。
私個人としては、
①異常気象等が続いても一定量の農作物を収穫できる栽培スキル
②時代の変化に合わせた経営力
が必要になってくると考えています。
これからは繋がる時代?
これからの農業は、一方では工業化・大規模化の道を、他方では、個と個のつながりの道を進んでいくのだろうと考えています。
(*2022年時点で水田では大規模化をやめ、面積を縮小する法人が増えてきています)
前者は、担い手が減る中で国内の食料生産は続けていかねばならないので、そうならざるを得ないだろうと。
後者は、規模は小さいけど、食べ物を食べる側と作る側が直接つながる、そういう機会が増えてくるだろうと考えています。
近年はSNSをメインとした人同士の繋がりが増えてきていますし、メタバースのような仮想空間で交流する場も出来てきました。
規模の大きさに関わらず、異常気象や市場価格の影響をあまり受けずに農家を続けている人もたくさんいます。
私自身もそういった農家を目指している側ですが、農業には魅力的な部分も乗り越えないといけない部分もあります。
その両方を見つつ、「やっぱり農業は面白い」です。
何の考えや準備もなしに農業に飛び込むのは「やめたほうがいい」と思いますが、しっかりとした志や想いで農業に参入するのは「おすすめ」します。