自然栽培と放任栽培は違う!自然栽培によくある誤解とは?

あなたは自然栽培というとどんな畑をイメージしますか?
草と野菜が共生しているイメージ
草がボーボーと生えているイメージ
普通の畑とあまり変わらないイメージ
色々あるかと思います。
自然栽培=放任栽培、と誤解をしている人も多いかも知れません。
今回は自然栽培と放任栽培の違いについて述べていこうと思います。

自然栽培と放任栽培の違い

自然栽培というと種を撒いてその後放任するというイメージを持たれている方もいるかと思いますが、実際には自然栽培と放任栽培は違います。
自然栽培では、各団体や考え方の違いはありますが基本的には

除草すべきときには除草をしたり、
野菜が他の雑草に負けないように草を刈ったり、
何かしらの管理をしなければいけないときにはきちんと管理を行います。

放任栽培はその名の通り、種をまいたり苗を植えた後、放ったらかしです。
草も取らなければ、管理もしません。
これは農法というよりかは「手が回らない」とか「自然栽培=放任」というイメージを持っている人がやっていることが多いです。
私の周りや私自身を振り返っても「手が回らない」がために放任されるというケースが多いように感じます。

自然の力を借りて、自然のままに育てるのが本当の自然栽培なのではないかと考える人もいるかと思います。
家庭菜園レベルでこういった栽培をする分にはよいかもしれません。
が、実際に「営農」となると野菜は育たないし、病気や虫にやられたり、収穫量も品質も下がるため、生活出来るレベルには至らないケースがほとんどです。

自然農法の基礎知識などについては、公益財団法人自然農法国際開発研究センターで詳しく述べられていますので見てみてください。
https://www.infrc.or.jp/about/8/

栽培の基本は同じ

自然栽培であろうと他の栽培であろうと、栽培の基本は同じかなと考えています。

雑草の管理

自然栽培では草と共生、という考え方もありますが、草の管理はします。
これまで私が見聞きした範囲で述べると、

根菜類(人参やさつまいもなど)→除草したほうが生育がよい
果菜類→除草するか、果菜類に影響が出ない程度に草を刈る
葉茎類→除草したほうが虫や病気にやられにくい
豆類→風通しの良い状態を保つといい

と基本的には草の管理をしたほうがいいものが採れます。
何故、草の管理が必要なのかと言うと、

野菜に充分な光が当たるように
風通しを良くし虫や病気がつきにくくなるように
植物同士で養分の取り合いが生じてしまうのでそうならないように

するのが目的です。

上農は草を見ずして草をとり中農は草を見て草をとり下農は草を見て草をとらず

という言葉が昔からあるように、農業では草の管理が大事になってきます。
草があると共生できるメリットもありますが、カビなどの病気がつきやすくなったり虫の隠れ家になり虫の被害が出やすくなるというデメリットもあります。感覚的にはデメリットのほうが多いように感じます。

土作り

農法に限らず土作りも極めていかねばなりません(土作り=土を育てる、という表現をする方もいますが、ここでは土作りで統一します)
「あれ、自然栽培って無肥料じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、自然栽培でも土壌改良材や堆肥、ボカシ肥料、微生物資材などを使用して土作りをしているのがほとんどです。

やり方など細かい部分に違いはありますが、化学肥料や化学農薬を使った栽培でも有機栽培でも自然栽培でも農作物が育ちやすい環境を整えるために土作りをするという部分では皆、同じように土作りに取り組んでいます。

栽培管理

栽培管理は、例えばナスに支柱を立ててあげたり、脇芽を取ってあげたり、枝を支柱に結んで誘引したり、といったような管理です。
種をまいて除草だけすればあとはほったらかしでも大丈夫、という野菜もありますが、自然栽培でも基本的には何かしらの栽培管理をしている場合が多いです。

最後に

いかがでしたか?自然栽培=放任栽培、と誤解される方もいますが、自然栽培は放任栽培ではないことを取り上げました。
自然栽培でもその根底には「農作物が育つための環境を整えてサポートする」ことが基本で、土作りや草、野菜の管理をしています。

どんな農法や栽培方法であれ、基本や根幹にあるものは同じなのではないかと感じています。

ぜひ、自然栽培に興味のある方、これから実践してみようと思う方は参考にしてみてくださいね。

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