3月に入り、春も近づいてきましたね。
というか、もう東北も春陽気で時折日差しが暑く感じてしまうこともあります。
MITUではいよいよ4年目の作付け準備を始めました。
今年はどんな風に育てようとしているのか、MITUの思いも含めて少しご紹介します。
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MITUなりに考えた「健康」
よく「自然栽培の野菜は健康によい」とか「いやいや従来の農法も有機も変わらない」という
議論を耳にすることがありますが、MITUでも色々調べたり考えて自分たちなりに「健康」とは何かを考えています。
正直、自然栽培だから健康とか従来の農法だからダメというのはちょっと早計かなと思っていたりします。
自然栽培であったとしても虫食いだらけの「いけてない」野菜も見かけますし、
必要最低限の農薬などを使ってもしっかりした野菜(論文的には栄養のある野菜)もあります。
では、野菜が健康に育つためにはどんなことが必要かなと考えたときに、
土の物理性(硬さや水持ちの良さなど)、化学性(いわゆる栄養分)、微生物性の最適なバランスが
その野菜が育つためによいんじゃないかと考えています。
ふかふかして、バランスの良い栄養分があり、土の中の微生物が豊かな土です。
ある有機農業の先駆者の方の講演会でも、「自然栽培とか◯◯栽培という方法ではなく、土を知り作物を知り、
これらが“健康な状態”を作ることが農家の技術である」という話がありました。非常に共感しました。
MITUに野菜を買いに来てくれるお客さんの中には、
ご自身や大切な人が体調を崩したことがきっかけでうちの野菜を食べるようになったとお話してくれる方がいます。
そういった方々のことを考え続け出した答えが「健康な土壌を育て、そこで野菜を育てる」です。
ですので、仙台沿岸の圃場整備の行われたあまり状態のよくない畑をいろんな手を使って「健康な」土にしていこうと考えています。
前置きが長くなりましたが、今年はどんな方法を取るかというと、
土壌分析の結果を元にした肥料まき
別のブログでも記載しましたが、MITUでは昨年末に土壌分析器を導入しました。
これまでも簡易的な分析器はあったのですが、今まで以上により精密に土の状態を把握したいと思ったため導入を決めました。
実際に分析してみると、「あーこの成分が全然足りていない!」とか「あ、この成分実は少し多かったのか!」など新たな気づきをもらいました。
この結果を元にピンポイントで不足している肥料をまいていきます。
うちの圃場整備の畑は計8箇所あるのですが、それぞれで個性が異なっていてびっくりました。
同じような土でも違うんですよね。うちの畑では鉄分やリン酸が少な目の畑が結構ありました。
例年使用している「郷の有機」という堆肥とアミノ酸肥料
土壌分析の結果を元に各々の畑で不足している養分を足しながら、あとはいつもの使用している郷の有機とアミノ酸肥料を使用します。
また、少しワラ堆肥を作ったので一部の畑で使用します。
郷の有機は、牛ふんともみがら、海藻の残渣物などを発酵させたもので個人的には良いものだなと思って使用しています。
アミノ酸肥料は、魚の煮汁を凝縮して米ぬかを配合したものです。
こちらもとても気に入っている肥料なんですが、畑にまくとネコがほじくっていくのが難点の肥料です。
マルチと草生栽培のいいとこ取り
自然農園というと「マルチは使わないんでしょ?」と聴かれることがありますが、すみません。
必要なものには使ってます。必要なもの、というのは株の周りの草取りなどに極力時間をかけないためとか
ネズミ被害などがでると困るようなところとか保温が必要な作物とかそういったものです。
使用するにしても必要最小限の使用量に留めるようにしています。
時折、草取りは障がいのある人にしてもらえばいいじゃん、と言われることがありますが、
草取りではなくもっと別のお願いしたい仕事がたくさんあるんです。
その別の仕事のほうで活躍してもらうことで障がいのある人たちの給料や工賃を上げることができるので、そのほうがよいと考えています。
マルチを張る一方、ウネの間とかには野菜の苗に悪い影響が出ない程度に草をはやしています。
これには細かい理由が色々とあるのですが、ざっくりというと草を生やすことで畑の環境や土の状態を良くするためです。
なので、夏場は畑にいろんな草が生えています(笑)
栽培品種
今年は品目を少し絞り、同じ品目でも品種の異なるものを植えようと考えています。
品種でいうと40種類くらいです。
基本、在来種や固定種、自家採種の種がベースにはなっていますが、F1の種もあります。
MITUでは根菜系と果菜類がメインになる予定です。葉物野菜はあまりMITUの畑には向かないので、ほどほどに。
葉物野菜は「みのる農園」さんの野菜が美味しいので、みのる農園さんが育ててくれるのを待ちます。
土の物理性改善へ
土の状態を良くするために物理性も考えています。
物理性に関しては、水はけのわるい場所などを探して、穴あけ器でひたすら穴をほります。
昨年も試みましたが、1メートルくらい掘ると工事のときに踏み固められたであろう硬盤がでてくるので、
その深さまでせっせと掘ります。
結構地味で足腰にくる作業なのですが、これをするとしないとではその後の土の状態が変わるんですよ。
難しい微生物性
ここはどう増やしていくのか難しいところではありますが、
MITUではヨーグルトなどから乳酸菌を培養したり納豆菌を増やして、堆肥や土にかけています。
また、野菜の生育状態を見て、葉面散布もします。
微生物が豊かな土にするには、微生物の餌となるものが豊富に含まれている土にしたり、
微生物の住みやすい環境を整えることくらいしかできないので、畑に有機物を入れたり、
畑に植物をできるだけ生やしていくくらいしかできないかなと考えています。
このあたりはもう少し勉強していこうかな。
いかがでしたか?
今年もこれから畑が賑やかになる時期です。育てている自分たちが一番楽しみかも。