オーガニックの野菜は何がいいの?メリット・デメリット

日本では数年に1度起こるとも言われている”オーガニック”ブーム。
新型コロナウイルスが蔓延し始めてからは健康に気を遣う人が増えたことでオーガニックが注目を浴びているとも言われています。
そのオーガニック野菜。「カラダに良い」とよく耳にしますが、何故いいのでしょう? 
このブログでは、オーガニックのメリット・デメリットを紹介していきます。 

オーガニック野菜を食べるメリットとは?

メリット1➖身体にいい

オーガニックの食べ物は身体に良いと言われています。 
イギリスのある大学の研究によれば、有機栽培で育てられた野菜は慣行栽培の野菜に比べて

①抗酸化物質が多い 
②ポリフェノール類が多い 
多量栄養素、繊維が多い 
有毒金属が少ない 
⑤残留
農薬が少ない 

という研究が発表されています。 
この他、アメリカや日本の研究機関でも同様の結果が出ています。 

ただし、1つだけ注意しないといけない点があります。 
それは、有機栽培の中でも肥料をまく際に窒素を少なくして栽培した場合に、①〜⑤のような結果になるという点です。
最近では、アミノ酸を多く含んでいる肥料やミネラル肥料を適切に入れることで、こういった野菜が育つことがわかってきています。


実は、アミノ酸肥料やミネラル肥料の重要性については1980年代から取り上げられており、慣行栽培有機栽培に限らずこうした肥料を使い、「体に良い」野菜を育ててきた先輩農家さんはいます。

メリット2➖環境に優しい

化学肥料や化学農薬を使わずに野菜を育てることで、自然環境への負荷を減らす=環境に優しいことがメリットの2つ目です。 

化学肥料を作る際には、大量の化石燃料が使われます。 
大量の化石燃料を使用することで資源が枯渇し、また二酸化炭素が出てしまうことから地球温暖化の原因の1つにもなってしまいます。 

化学農薬は自然の生態系を破壊し、自然のバランスを崩してしまうと言われています。
オーガニックの農産物や畜産物などを育てることで自然の循環が生まれ、環境への負荷を減らすことが出来ます。 

一方で、化学農薬も日々研究が進み、自然生態系を出来るだけ壊さない工夫をされている農薬も増えてきました。

オーガニック野菜を食べるデメリットとは?

デメリット1➖価格が高め

スーパーでもオーガニック商品のコーナーが増えてきましたが、値段を見ると割高ですね。 

値段が高くなる理由としては、 

  • オーガニック野菜は収穫できる量が慣行に比べて少ない/手間がかかる
  • 有機JASの認証を取るために費用がかかる  

といったことが挙げられます。
私自身も実際に育てたり、周りの先輩農家さんの取り組みを見てきて思いますが、実は手間と比較したら価格は安いとも感じています。

デメリット2−実は生産者によって作り方はバラバラ

オーガニック野菜が身体や環境に良いとされているのは、野菜を育てる時に「窒素を少なくして育てる」ことが1つのポイントになってきます。 
しかし、実は生産者によって育て方はバラバラ。 

例えば、有機肥料を極力少なく入れる生産者もいれば、たくさん入れる農家もいます。
育て方の違いによって、野菜の栄養価や環境への負荷も変わってくることが指摘されています。 

デメリット3−オーガニック=無農薬ではない

これはデメリットというよりは誤解されている方も多いので、取り上げました。 
オーガニックだからといって無農薬で育った野菜とは限りません。 
有機JASという制度では使用可能な農薬のリストがあります。 
この使用可能な農薬を使用して育てた野菜も有機野菜として販売されています。 

デメリット4−菌や寄生虫などの感染リスクも

これは有機栽培の農家に限らず、堆肥を使う農家全般に言えることにはなるのですが…
まれに動物性の堆肥(鳥や豚や牛などの家畜のフンを堆肥化したもの)を畑にまいた時に、堆肥にO-157などの菌や寄生虫が付着。
その野菜を生で食べたら感染してしまった、というケースもあります。 

これは、完全に「発酵」していない未完熟の堆肥を使用したことで起きてしまう可能性があります。 
多くの堆肥はじっくりと発酵させることで中にいる菌を死滅させるので安全なのですが、まれに十分に発酵させていない堆肥が世に出てしまうようです。 

野菜を食べるときには、加熱するか生で食べる際には流水でよく洗ってから食べましょう。 

まとめ

いかがでしたか? 

オーガニック野菜は身体にも自然環境にも優しい食べ物ですが、デメリットやある種の危険性もあります。
デメリットやリスクもきちんと知った上で、オーガニック野菜を選んで食べましょう。

また、年々、有機栽培vs慣行栽培といった感じの対立はなくなってきています。
農法に限らず、野菜の栄養価や品質を高めるような肥料の使い方、与え方をしている人も増えてきましたし、農薬も環境負荷の少ないものが増えてきました。
個人的な考えとしては、一部を除き、もう有機栽培vs慣行栽培といった関係はないと思っています。
農法ではなく、どう育てたかによって「身体にいい」野菜は決まってくると。

このことについては下記ブログで詳しく書いていますので、ご興味ある方は一読ください。

本当に栄養満点の野菜ってどんな野菜?

 

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