野菜の選び方②−有機や無農薬野菜の生産者を知ろう

突然ですが、有機野菜や無農薬に興味のあるあなたは野菜をどう選びますか?

有機野菜や無農薬野菜がじわりとじわりと人気が出てきて、 

各地で専門店やスーパーのオーガニックコーナー、 

販売イベントなどを目にする機会が増えてきましたよね。

生産者もいろんな方がいて、どう選ぼうか悩むくらいです。

 

このブログでは、有機野菜や無農薬の野菜を選ぶ際のポイントをご紹介していきたいと思います。

 

 

有機野菜とは?

 

まずは有機野菜とは何かを簡単に復習してみたいと思います。

有機野菜と名乗ることができるのは日本農林規格の「有機JAS」 

という規格の認証を受けたものとなっています。

 

有機質肥料や天然由来の土壌改良材などを使用して土を作ることを基本として、 

種まきや植え付け前に2年以上化学的に合成された肥料や農薬を使わずに育てた 

農産物を有機農産物と言います(農林水産省HPより)。

ちなみに、無農薬や無化学肥料といった表示は禁止されています。

スーパーなどの有機野菜コーナーではこの「JAS規格」の農産物が並んでいます。

 

実際には、様々な事情でJASの認定を取らずに「有機」や「無農薬」とも 

名乗らずに野菜を販売している農家も多くいます。MITUもそうです。

 

 

有機JASのメリットとデメリット

 

有機JASにはメリットとデメリットのそれぞれがあると考えています。

まずメリットは第三者(認定機関)の審査をクリアしたものなので、 

安心できるというところだと思います。 

 

認証を受けるときだけではなく、認定取得後も定期的に調査が行われ、 

基準に合っているかどうかの確認を受けます。

 

デメリットは主に2つ考えられます。

日本の有機野菜は危ない?!−肥料のお話」というブログでも取り上げましたが、

 

1つは、有機JASの野菜=無農薬ではないこと。 

有機JASでは使用が認められている農薬もあります。 

「無農薬」が良いという人にとっては有機JASの野菜はある意味で選びにくいものかもしれません。

 

2つ目は、栽培するときに入れる肥料の量に制限が設けられていないことです。

慣行栽培であろうと有機栽培であろうと肥料の入れすぎは環境への負荷が大きいだけでなく、 

食べる人にとってもあまり良くないものと考えられています。

 

オーガニックの先進圏であるヨーロッパでは、動物由来(家畜の糞尿など)の堆肥の 

施肥量を窒素の量で170kg/haを上限とする、と定めています。

 

日本でも有機農業研究者の方々は肥料(主に窒素)の量を慣行栽培の基準の7〜8割に 

抑えることを推奨しています。

 

 

有機や無農薬の野菜を選ぶときのポイント−生産者を知ろう

 

では、どんな風に野菜を選ぶとよいでしょうか?

いくつかポイントを絞って見てみたいと思います。

 

見た目

見た目での判断については「野菜の選び方①―無農薬野菜編」 を参照してみてください。

 

 

簡単に取り上げますと、

1)大きさ

2)葉の色

3)虫食いの有無(無農薬野菜でも虫食いのひどいのは避けたほうがいい)

です。

 

見た目だけでは無農薬で育てたのか、肥料はどのくらい入れたのかといったことはわからず、 

判断が難しいですよね。

 

そこで大事になってくるのが、生産者を知ることだと考えています。

 

生産者の情報を調べてみよう

 

最近はインターネットでブログやホームページを作っている生産者もだいぶ増えてきましたね。

有機JASの認証を取得している生産者も認証を取らずにひっそりと農産物を育てている生産者も 

どんな想いでどんな風に育てているかといった情報をネットで公開していたりします。

 

気になる農家さんがいる場合には、その生産者さんのホームページやブログを見てどんな風に 

育てているのかチェックしてみてください。

 

ホームページやブログを見てもわからないことは、ホームページのお問い合わせ方法に従って 

お問い合わせみるのも良いと思います。

 

また、インターネットで情報が集められない場合でも、最近ではスーパーなどで「生産履歴」が 

見れるようになっています。

 

例えば、イオン系のスーパーなどではQRコードを読み取ると、その野菜を育てた生産者が 

どのように栽培しているかを細かく知ることが出来ます。

 

こういった情報を見て、あなたが求めている野菜かどうかを判断するのも良いと思います。

 

 

生産者と直接会ってみよう、圃場を見てみよう

 

数年前から各地でマルシェ等のイベントが開かれ、 

生産者がマルシェに参加する機会も増えてきました。

 

マルシェに参加している生産者の方には少量他品目で野菜を育てていたり、 

こだわりの農法で野菜を育てている方も多く、直接会っていろいろとお話を聴いてみるのも 

1つのチャンスですよね。

 

MITUでもイベント等へ出店させていただくのですが、お客さんと直接会って育て方や 

食べ方などいろいろとお話しながら販売しています。

 

また、圃場を見学することのできる生産者の方もいらっしゃいます。

 

直接圃場を見に行くことでどんな風に育てているのか、野菜がどんなふうに育っているのかを 

見ることが出来ますし、より深い話を生産者の方から聞けるかもしれません。

 

ただし、突然訪問すると迷惑をかける場合もあるので、きちんとした手順で見学してくださいね。

 

 

生産者から話を聴くときのポイント

 

有機野菜や無農薬の野菜を選ぶ際に、見た目で判断することもさることながら、 

生産者とつながり育て方などを知ることが大切だと考えています。

 

では、どんなことを聴くと良いでしょう。

聴きたいことはたくさんあるかもしれませんが、ポイントとしては

 

・いつ畑に肥料をいれ、どんな種類のものをどのくらい入れたのか

・栽培期間中、どんな管理をしたのか、追肥はどんな資材をどのくらい入れたのか

・虫や病気にかからないための工夫は何か

 

といったことが聴けると、野菜を選ぶ際の判断材料になるかもしれません。

 

いかがでしたか?

農業はこれからどんどん二極化していく可能性があります。

その中で、生産者をしっかりと知り、野菜を選ぶことも大切になってくるかもしれません。 

ぜひ、この機会に生産者とお知り合いになってみては?!

 

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