何故ソルガムシロップに挑戦するのか?-農福連携から

日本ではほとんど出回っていないスイートソルガムシロップ。
MITUではこのスイートソルガムに着目し、シロップの開発を進めています。
何故、MITUではスイートソルガムシロップに挑戦するのか?
このブログでは農福連携の視点からスイートソルガムシロップに挑戦する理由を取り上げていきたいと思います。

スイートソルガムシロップへ挑戦する理由の全体的な概要は下記に記載していますので、興味ある方は御覧ください。

スイートソルガムシロップへ挑戦する理由

 

働きたい障がいのある方の仕事を創る

MITUでは、地域の施設と連携し、障がいのある方や社会的な課題を抱えている方と農業をしています。

これは佐藤が就農する前から決めていたことです。
「障がいのある方と一緒に農業をする」ことが目的で就農をしました。

実際に2020年時点で県内の3つの福祉施設からスタッフが来たり、個人で研修に来ている方もいて、スタッフや研修生と一緒に農業をしています。

農福連携の難しさ

農家の担い手不足や高齢化が問題視されてから「農福連携」という言葉が各所で聞かれるようになりました。
「自然の中で自分らしく」作業をする、「自然と向き合いながら心や身体を癒す」といったことにフォーカスされ、施設さんでも興味を持たれるところが増えてきた印象です。

一方で実際に農福連携を進めていくと、そこには多くの課題があります。
そのうちの私たちが感じている大きな課題が「体力」と「能力」の問題です。

農作業するには思った以上に「体力」がいります。
これは実際に体感しないとわからない部分ではありますが、MITUに体験に来る方々の多くは「こんなに体力的にきついとは思わなかった」と言います。

次に「能力」の問題です。
農作業=単純作業、と思われがちですが、そうでない部分も多々あります。
草取り1つとってもどれが野菜の苗でどれが草か判断したり、野菜の根を傷めないように抜いたりと細かい配慮が必要になったりします。

この2つの課題が主で、農福連携で施設から連れてこれるスタッフさんを選ばないといけないという状況があるんです。

ここは農業経営(私たち自身、野菜をお客さんに買ってもらいその対価で経営しているので)と福祉のバランスをどう取るかが問題になってきます。

そこで農作業以外の仕事や農作業の中でも比較的作業のしやすい仕事を創ることができないかと考えました。

想いと農地の現状とのギャップ

障がいのある方の仕事をもっと創る!と決めましたが、1つ大きな課題を解決する方法を考えないといけない状況にありました。 

それは、仙台沿岸の農地に関わる課題です。
東日本大震災のあと、仙台沿岸の農地は復旧工事やほ場整備という工事が何度か行われ、大規模な土の入れ替えや盛土が行われました。

この工事が行われたことで栄養分のない土が入り、また重機によって踏み固められたことで、作物が育ちにくい畑になりました。 専門家から「5〜10年間は土作りに時間がかかる」と言われました。 

このままでは障がいのある人や引きこもりの人の仕事を創ることはできない、と悩み続けました。しかし、あるときに「スイートソルガム」という作物があまり栄養のない畑でも育ち、シロップに加工することができると思い出したんです。

思い出したきっかけは通っていた大学院の先生の言葉でした。
私が「今沿岸の畑がなかなか作物育たなくて・・・」と先生と話していたときに、「ソルガムで何か売るものができれば土壌改良しながら販売もできるんだけどね」と。

「あ、ソルガムシロップならいけるかも!」となったんです。

そこで、スイートソルガムを育てることで障がいのある方や引きこもりの方の仕事を創ろう!と考えました。

 

スイートソルガムシロップと農福連携

スイートソルガムは栽培そのものは比較的カンタンで、難しい作業はあまりありません。
どんなふうに育ててシロップにしていくのかを取り上げたブログはこちらです。(https://sizennouenmitu.com/archives/1737

このスイートソルガムからシロップを製品化していくことで、今農福連携で来ることが難しいスタッフやこれから農福連携で来たいという施設からの受入人数を増やすことが出来ると考えています。

加工は県内の障害者就労支援施設にお願いするのですがそちらでも少なからず仕事を増やすことができ、結果的にスタッフさんの工賃UPに繋がると考えています。

また、このスイートソルガムシロップに興味を持ってくれている施設には、お菓子やパンの製造を行っているところもあり、そういったところでも仕事が増えるのではないかと妄想しています。

MITUの願い・目標は、スイートソルガムシロップを通して、1人でも多くの障がいのある人、社会的な課題を抱えている人の就労の場や機会を増やすことにあります。

 

何故、MITUでは農福連携を目指すのか?

佐藤は、以前はリハビリの仕事をしていました。

仕事の中で「働きたくても仕事が見つからない」という悩みを抱えた障がいのある方々と出会うことが多かったんです。

佐藤自身、20代の頃に立て続けに交通事故にあい、その後遺症に悩まされ続けました。
社会的に孤立していた時期がありました。
そのときに農業(家庭菜園)を始めたことが社会復帰へのきっかけになったんです。

このリハビリ職をしていたときに出会った方々と交通事故で社会的に孤立をしていた自分が重なりました。そして、自分の好きな「農業」を通してこういった悩みを抱えている方々の支援したいと思い、農業を志すようになりました。

なので、MITUのベースには「畑から元気を届ける」をコンセプトに社会的な課題を抱えている方に農業を通して生きがいの持てる場、就労の場を創ることがあります。

最後に

スイートソルガムシロップへの挑戦はまだまだ始まったばかりです。
この挑戦をきっかけに農福連携や働きたいと思っている障がいのある方の就労の場を増やしていきたいと考えています。

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